大判例

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東京高等裁判所 平成8年(う)1755号 判決

被告人 古賀武志

〔抄 録〕

なお、原判決は、右のとおり被害者の車に乗り込む時点で強姦の意図があったと認定するに当たり、その資料として、その後被告人が被害者を強姦していること及び前刑の強制わいせつも行きずりの女性の態度に立腹しわいせつ行為に及んだものであることを挙げている。しかし、その後被告人が被害者を強姦していることは犯意発生の時点とは直接関わりのないことであって、原判決がこのことをもその認定の根拠として挙げているのは相当でない。また、犯意を認定する資料として前刑の犯罪事実を用いることも、全く許容されないとはいえないが、原判決が引用する前刑の犯罪事実は、通行中の女性に対し、やにわに肩、首等を押さえ付け、その唇に接吻したなどというものであって、本件とは犯意の内容及び暴行の態様が異なるうえ、本件のように車を利用した犯行でもないのであるから、右前刑の犯罪事実を本件の犯意発生時期に関しての認定資料とすることも適切ではないというべきである。しかし、これらの点を除外しても、原判示のとおり被告人が被害者の車に乗り込む時点で強姦の意図があったと認められることは、既に述べたとおりである。

(小林充 山田利夫 多和田隆史)

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